シーリング(コーキング)の劣化症状とは?原因や対処法を解説
- 外壁塗装
「シーリングの劣化は放置していても大丈夫?」
「シーリングの劣化症状と対処法を知りたい」
シーリングは、建物の継ぎ目やひび割れなどの隙間を充填することです。
充填する材料をシーリング材といいます。
シーリングはコーキングと呼ばれることもありますが、どちらもほぼ同じ意味です。
外壁のシーリングは、外壁塗装のメンテナンス周期よりも早く劣化症状が現れます。
シーリングの劣化は住宅の寿命にも影響を及ぼす可能性があるため、劣化症状が見受けられた場合は補修が必要です。
本記事では、シーリング劣化の症状や原因、対処法について解説します。
劣化を放置するリスクについても紹介しますので、シーリングの劣化にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
シーリングの劣化症状
シーリングの耐用年数は、商品や環境により異なりますが5~10年ほどが一般的です。
耐用年数を過ぎたシーリングは、さまざまな劣化症状が現れます。
劣化症状によっては住宅の寿命に影響を与えるものもあるため、シーリングの劣化症状を把握することが重要です。
シーリングの主な劣化症状は、以下の5つが挙げられます。
・剥離
・肉やせ
・ひび割れ
・欠落
・破断
耐用年数にかかわらず、劣化症状が見受けられた場合はできるだけ早く補修しましょう。
剥離
剥離とは、シーリングと建材に隙間ができてしまう劣化症状です。
経年劣化や施工不良が主な原因で発生します。
目地からの剥離は、防水機能が失われた状態です。
剥離を放置すると建物に雨水が浸入して、雨漏りにつながるおそれがあります。
シーリングに剥離の症状が現れた場合は、できるだけ早いうちに補修を依頼しましょう。
肉やせ
肉やせとは、コーキング自体がやせ、厚みが減っている状態のことです。
経年劣化や施工時のコーキング材不足などが原因で発生します。
肉やせはシーリング材に含まれている可塑剤が溶けだし、弾力性が失われている状態です。
肉やせの劣化症状が進行するとひび割れが発生する可能性があります。
ひび割れ
ひび割れとは、シーリングに細かなひびが発生している症状のことです。
原因は主に経年劣化が挙げられます。
地震や台風など建物に大きな衝撃が加わることで、発生する場合もあります。
ひび割れは防水機能が失われ外壁下地の劣化にもつながりかねません。
建物の寿命に大きな影響を与える可能性が高いため、補修が必要です。
欠落
欠落とは、シーリングが剥がれ落ちて外壁の下地が見えてしまっている状態のことです。
シーリングの欠落は、主に経年劣化によってシーリング材が縮んでしまうことが挙げられます。
施工後すぐに欠落が発生した場合は、プライマー(接着剤)不足やシーリング材の選定ミスの可能性があります。
欠落してしまっているシーリングは、役割を全く果たせていません。
放置すると、外壁の破損や雨漏りなどさまざまな不具合が発生するおそれがあります。
破断
破断とは、ひび割れが進行して大きな割れ目ができてしまう劣化症状です。
シーリングはひび割れの段階ですでに防水性が失われている状態です。
破断はひび割れよりも大きな隙間ができるため、住宅への影響はより大きなものとなります。
そのため、ひび割れの時点で劣化症状に気づき、補修するのが理想的です。
シーリングの劣化原因
シーリングが劣化する原因は主に経年劣化で、具体的には以下のとおりです。
・外壁の変形の繰り返し
・紫外線
・施工不良
劣化の原因をひとつずつ確認していきましょう。
外壁の変形の繰り返し
シーリングは外壁の変形が繰り返されることで発生します。
外壁は地震や気温の変化などさまざまな要因で伸縮を繰り返しています。
外壁が変形すると、同時にシーリングもダメージを受けて劣化が進行するのです。
伸縮が繰り返されると、シーリングの剥離やひび割れなどの原因につながります。
紫外線
紫外線もシーリングの劣化につながる大きな要因です。
シーリングは紫外線を浴び続けると、材質が変化します。
最初はべたつきが発生して徐々に弾力がなくなっていき、最終的にひび割れや破断といった劣化症状が現れるのです。
シーリング材のなかには紫外線吸収剤が含まれているものもありますが、材質の変化により表面から流出することでより劣化しやすくなります。
施工不良
施工後まもなく不具合が発生した場合は、施工不良の可能性があります。
外壁と相性の良いコーキング材を使用していなかったり、下処理が十分でなかったりするとシーリングは劣化しやすくなります。
施工不良が疑われる場合は、施工会社へ相談しましょう。
時間があいてから連絡すると経年劣化だといわれる可能性があるため、早急に連絡することをおすすめします。
シーリングの劣化を放置するリスク
シーリングは外壁や屋根などと比較すると軽視されがちですが、劣化を放置するとさまざまな不具合を引き起こします。
たとえば、以下のようなリスクがあります。
・雨漏り
・外壁のひび割れ
・気密性の低下
シーリングには建物への水の浸入を防ぐ役割がありますが、劣化すると建物に雨水が浸入し雨漏りが発生する可能性が高いです。
外部からの衝撃を防ぐ機能も失われるため、外壁のひび割れにもつながりかねません。
また、開口部周りのシーリングには気密性を向上する役割があります。
開口部周りのシーリングが劣化すると、気密性が低下して室内温度の調節が難しくなります。
シーリング劣化を放置することは、住宅の寿命や光熱費などさまざまな面に影響を与えてしまうので早期発見および補修が必要です。
シーリングの劣化の対処方法
シーリングの劣化は、状態や補修箇所によって補修方法が異なります。
シーリングの補修方法は、以下の2つです。
・打ち替え
・増し打ち
シーリングを補修する際は、業者に診断してもらい適切な方法で補修するようにしましょう。
打ち替え
打ち替えは、既存のシーリングを撤去した後、新たにシーリング材を充填する方法です。
打ち替えによる補修を行うことで、防水性やクッション性などコーキング本来の機能を取り戻せます。
増し打ちよりも時間と費用がかかりやすいのがデメリットです。
増し打ち
増し打ちは、既存のシーリングの上にシーリング材を補充する方法です。
既存のシーリングを撤去しないため、打ち替えよりも短期間かつ安価な補修ができます。
しかし、増し打ちできる条件は限定的です。
目地の溝が深く十分にシーリングを充填できる外壁の場合は、増し打ちでの補修が可能です。
ただし劣化が進行している場合は、増し打ちで補修しても不具合の根本的な解決にはつながりません。
見た目が良くなったとしても、将来的に打ち替えによる補修が必要となります。
シーリングの劣化は、専門業者に診断してもらい適切な方法で補修してもらいましょう。
シーリングの補修はDIYできる?
DIYでのシーリングの補修はおすすめできません。
近年シーリングの補修材料は、ホームセンターやネット通販で揃えられます。
しかしシーリングの補修は、劣化状況に適した方法で環境に適したシーリング材を選択することが必須です。
適切に補修するには専門知識を要します。
劣化している箇所によっては高所作業となることもあります。
高所作業は転落によるケガのリスクもあるため、シーリング補修は専門業者へ依頼するのが適切です。
シーリングの補修は業者に依頼しよう
シーリングの耐用年数は、一般的に5~10年ほどです。
耐用年数を過ぎたシーリングは、さまざまな劣化症状が現れます。
シーリングの劣化を放置すると住宅寿命に大きく影響を与えるため、補修が必要です。
しかし自然災害や施工不良などにより、耐用年数に満たない場合でも劣化症状が現れることもあります。
シーリングの劣化症状が見受けられた場合は、耐用年数にかかわらずできるだけ早く専門業者へ相談するのが適切です。
ご自宅のシーリングに関する劣化や不具合は、お気軽にタカハシ塗装へご相談ください。