60坪の外壁塗装の費用相場は?内訳や費用を抑える方法を解説
- 外壁塗装
「60坪住宅の外壁塗装を依頼する際の費用相場が知りたい」
「外壁塗装を依頼する際の注意点は?」
外壁塗装は住宅の形状や塗料の種類によって金額が変わるため、相場を知ることが重要です。
とくに60坪の住宅の場合は日本の平均的な住宅よりも大きいため、塗装工事を依頼する際に注意すべきポイントがあります。
本記事では60坪の住宅に外壁塗装を依頼する際の費用相場や内訳を解説します。
事前に知っておきたい注意点や費用を抑える方法を紹介しますので、外壁塗装を検討する際の参考にしてください。
60坪住宅の外壁塗装を依頼する際の費用相場
60坪住宅の場合、外壁塗装を依頼する際の費用相場は110〜190万円です。
ただし、住宅の形状や使用している塗料によって金額が異なります。
外壁塗装の費用は、以下の計算方法で算出できます。
外壁面積✕1平方メートルあたりの塗料単価
上記に加え、付帯部の塗装や足場代が追加で発生して、110〜190万円となります。
60坪の住宅の外壁面積と塗料ごとの費用相場をそれぞれ解説します。
60坪の住宅の外壁面積
外壁面積とは、外壁全体から窓やドアなど塗らない部分を抜いた面積のことです。
60坪住宅の場合、外壁面積は218〜277平方メートルとなります。
おおよその外壁面積を求める際は、以下の計算式を用います。
外壁面積=延床面積✕係数(1.1〜1.4)
延床面積とは、住宅すべての階の床面積を合計した面積のことです。
1坪は3.3平方メートルのため、60坪に3.3平方メートルをかけると延床面積は198平方メートルになります。
延べ床面積に1.1〜1.4倍の係数をかけることでおおよその外壁面積を把握できます。
塗料ごとの費用相場
住宅の外壁面積に塗料の単価をかけると、塗料ごとの費用相場を算出できます。
塗料ごとの1平方メートルあたりの単価は以下のとおりです。
・シリコン塗料:2,300~3,500円/平方メートル
・フッ素塗料:3,500~5,000円/平方メートル
・無機塗料:3,800~6,000円/平方メートル
外壁面積に上記の塗料単価をかけて計算すると、60坪における塗料ごとの費用相場は以下のとおりになります。
・シリコン塗料:501,400~969,500円
・フッ素塗料:763,000~1,385,000円
・無機塗料:828,400~1,662,000円
ただし、上記の金額は外壁塗装のみの費用のため、足場代や下処理代などは別途加算されます。
60坪の外壁塗装にかかる塗料以外の費用内訳
60坪の外壁塗装では以下のような費用も追加で発生します。
・足場設置
・養生
・高圧洗浄
・下地処理
・諸経費
順に施工の単価や60坪住宅の場合の費用相場を解説します。
足場設置
足場は高所作業をする際に設置します。
60坪の住宅における足場代は20〜28万円が相場です。
ただし、足場の設置場所や高さによって費用は異なります。
たとえば、3階建て以上の家では、2階建ての家よりも足場を丈夫に組む必要があるので費用が高くなる傾向にあります。
養生
養生は窓やドアなどに塗料が飛散するのを防ぐために必要です。
建物の周囲が塗料で汚れたり、塗装が不要な箇所に塗料が付着しないように養生をします。
費用相場は47,600〜89,100円ほどです。
高圧洗浄
高圧洗浄は外壁に付着したゴミや汚れを落とすために行う作業のことです。
塗料を外壁にしっかりと付着させるために高圧洗浄をします。
60坪の場合、費用相場は35,670〜107,100円になります。
下地処理
下地処理は高圧洗浄で汚れを落とした後、下塗り前に補修する作業のことです。
住宅の劣化状況によって金額が異なるので費用相場は一概にいえません。
業者によって1平方メートルあたりの料金を提示していたり、施工費に含めたりと表記方法が異なります。
その他諸費用
外壁塗装を依頼する際には、足場代や施工費以外の諸費用も発生します。
たとえば、現場までの交通費や運搬費、廃材処理費などです。
見積書に「諸費用」と記載してある場合は、業者にどのような費用項目が含まれているか確認しましょう。
60坪の外壁塗装を依頼する際の注意点
60坪の外壁塗装を依頼する際の注意点には以下の3つがあります。
・工事期間が長くなりやすい
・依頼できる業者が少ない
・わずかな単価の差で費用が大きく変わる
それぞれ解説します。
工事期間が長くなりやすい
平均的な住宅の延床面積は40坪前後のため、塗装業者がサイトに掲載している工事期間も40坪前後の住宅を想定していることが多いです。
延床面積が60坪の住宅は塗装範囲が多くなるため、通常よりも工事期間が長くなりがちです。
工事期間中に一時的に別の場所に住む場合はより費用がかかります。
悪天候が続く場合はさらに工事期間が伸びる可能性もあります。
見積もりをする際に工事期間を確認し、期間中どのように生活をするか決めておきましょう。
依頼できる業者が少ない
60坪の住宅の塗装工事は依頼できる業者が限られます。
60坪住宅は平均的な住宅より大きく、多くの職人を確保する必要があるためです。
工事期間も長く抑える必要があり、日程の融通が効かない可能性もあります。
外壁塗装の繁忙期である春や秋は業者が埋まりやすいため、早めに依頼しましょう。
わずかな単価の差で費用が大きく変わる
わずかな単価の違いでも、外壁面積が広くなれば工事費用の総額が大きく変わります。
たとえば、1平方メートルあたり2,500円と3,000円の塗料を比べると以下のとおりになります。
60坪(外壁面積が約277平方メートル)の場合
・2,500円の塗料:692,500円
・3,000円の塗料:831,000円
上記の場合、138,500円の差額となります。
60坪の住宅だと単価の差が数百円程度でも、塗装代が数万~数十万円以上変わるため注意が必要です。
60坪の外壁塗装で費用を抑える方法
60坪の外壁塗装で費用を抑える方法は以下の2つです。
・自社施工の業者に依頼する
・屋根塗装と同時に依頼する
・補助金や助成金を活用する
・塗料のグレードを下げる
・閑散期に依頼する
それぞれ解説します。
自社施工の業者に依頼する
外壁塗装は自社施工の業者に依頼すると費用を抑えられます。
自社施工の会社なら足場の設置から施工まで自社で一貫しており、中間マージンが発生しないためです。
自社施工をしている業者は地域密着型であることが特徴です。
逆に大手リフォーム業者や工務店は下請け業者に依頼していることが多いので注意しましょう。
屋根塗装と同時に依頼する
外壁塗装だけでなく、屋根塗装も検討している場合は同時に依頼すると費用を抑えられます。
同時に依頼することで足場の設置費用を1回分節約できるためです。
外壁塗装と屋根塗装をそれぞれ単独で施工するのと比べ、約20〜28万円を抑えられます。
ただし、同時に施工するとまとまった金額が必要になるので、予算とあわせて検討しましょう。
補助金や助成金を活用する
外壁塗装を実施するタイミングや自治体によっては、補助金や助成金が活用できる場合があります。たとえば、つくば市では「つくば市安心住宅リフォーム支援補助金」という制度があり、条件を満たせば最大10万円受け取ることが可能です。
外壁塗装を行う際は、活用できる補助金や助成金がないか事前に確認することをおすすめします。
活用できる制度がある場合は、申請のタイミングや対象となる工事内容なども把握しておきましょう。
塗料のグレードを下げる
塗装費用を抑えたい場合は、塗料のグレードを下げるのが効果的です。外壁部分は耐久性に優れた塗料を使用し、紫外線の影響を受けにくい付帯部はグレードの低い塗料を使用するなど使い分けすることで費用を抑えられます。
ただし、安い塗料を使用するとメンテナンス頻度が上がる可能性があるため、安さだけで塗料を選ぶのはおすすめできません。
塗料を選ぶ際は、予算と耐用年数を考慮したうえで自分に適したものを採用しましょう。
閑散期に依頼する
外壁塗装は、天気や気温の条件が適している春と秋が繁忙期です。一方で暑さが厳しい夏や梅雨時期、日照時間が短い冬は依頼が減少する傾向にあります。
業者によっては閑散期に特別価格で塗装を受け付けている場合や、交渉すれば安くしてくれる場合があります。
ただし、閑散期は天候により工事が中断して工期が延びてしまう可能性が高い点に注意が必要です。
工期が延びても問題ない場合は、閑散期に依頼するのがおすすめです。
60坪住宅の外壁塗装で費用が相場より高くなる要因
塗装費用は業者ごとに費用が異なるため、費用が相場とかけ離れている場合は悪徳業者の可能性があります。
しかし、外壁や住宅の状況によっては通常よりも費用が高額になるケースもあります。
外壁塗装費用が相場よりも高くなる要因は、以下のとおりです。
・外壁の状態が悪い
・3階建て以上の住宅である
・塗装面積が大きい
・ハウスメーカーに依頼している
それでは1つずつ確認していきましょう。
外壁の状態が悪い
外壁の状態が悪い場合は、修繕に手間と時間がかかるため相場よりも費用が高額になります。状態によっては塗装での補修が難しく、張り替えや重ね張りなど別の方法でのメンテナンスが必要となる可能性があります。
張り替えや重ね張りは塗装よりも費用が高額で工期も長くなるため、外壁の劣化が進行する前に塗装を行うのが適切です。
塗装面積が大きい
外壁塗装は、塗装面積が大きいほど費用が高額になります。同じ2階建ての家でも以下のような場合は高くなりがちです。
・L字型の家や中庭のある家など住宅の形状が複雑な場合
・窓のサイズが小さい
・窓の数が少ない
・付帯部が多い
ほかにも3階以上の家であれば塗装面積が大きくなり、かつ足場をより頑丈に組む必要があるため足場代や人件費が高くなります。
ハウスメーカーに依頼している
外壁塗装を行う際、自宅を建設したハウスメーカーへ相談する人も多いです。しかしハウスメーカーへの依頼は、塗装業者へ依頼するよりも費用が高額となります。
ハウスメーカーは外壁塗装を請け負ってくれますが、実際に施工するのは下請け業者となるため仲介手数料が上乗せされます。
オリジナルの塗料を推奨しているケースも多く、一般的な塗料よりも塗料代が高額になる点も費用が高くなる原因です。
費用を安く抑えたい場合は、自社職人が在籍している塗装業者への依頼がおすすめです。
60坪住宅の外壁塗装で失敗しないためのポイント
60坪住宅の外壁塗装は100万円以上の高額な費用がかかるため、絶対に失敗はしたくないです。
外壁塗装を成功させるポイントは、以下のとおりです。
・見積書の内訳が明確かを確認する
・丁寧な点検と説明をしてくれる
・保証やアフターフォローの有無を確認する
・塗料は今後のライフプランに合わせて選択する
上記ポイントを押さえて、満足度の高い塗装リフォームを行いましょう。
見積書の内訳が明確かを確認する
外壁塗装の見積書には決まった書式がないため、業者によって書かれている内容が異なります。見積書で確認すべき点は、以下のとおりです。
・塗料の名前やメーカーの記載がある
・単位や数量が明記されている
・必要な工程がすべて書かれている
「塗装工事一式」と総額費用しか分からない見積書は注意が必要です。
一式となっている見積りは、見積もりに含まれている工事内容が不明瞭なため、施工後に追加費用が発生するおそれがあります。
見積書は普段目にするものではないため、分からない点がある場合は納得できるまで業者に質問しましょう。
丁寧な点検と説明をしてくれる
信頼できる業者は、点検と説明を丁寧に行ってくれます。外壁塗装を行う際は適切な工事を行うために、きめ細かな点検が不可欠です。
外壁を細部まで確認し、写真や動画などでわかりやすく説明してくれる業者であれば信頼できます。
一方で点検を短時間で済ませるような業者は、細部まで確認が行き届かず、工事開始後に追加工事や費用が発生するおそれがあるため注意が必要です。
保証やアフターフォローの有無を確認する
保証期間や保証範囲などの内容は、業者ごとによって異なるため、契約前に確認しておきましょう。外壁塗装では、塗装後すぐに塗膜が剥がれたり塗り忘れがあったりなど、トラブルが発生することも珍しくありません。
保証内容は書面で受け取り、内容の詳細は直接説明してもらえるとトラブル回避につながります。
外壁塗装は塗って終わりではなく、きれいな状態を長持ちさせることが重要なため、保証やアフタフォローを契約前に確認しておくのが適切です。
塗料は今後のライフプランに合わせて選択する
外壁塗装では、使用する塗料によって費用が大きく変わります。塗料は長持ちするほど高額となる傾向にあるため、ライフプランを考慮して塗料を選ぶのがおすすめです。
塗料ごとの費用相場と耐用年数は、以下のとおりです。
・シリコン塗料:2,300~3,500円/平方メートル(耐用年数7〜15年)
・フッ素塗料:3,500~5,000円/平方メートル(耐用年数12〜20年)
・無機塗料:3,800~6,000円/平方メートル(耐用年数18〜20年)
数年で引っ越しやリフォームを予定している場合は、耐用年数の短い塗料でも問題ありません。
一方でしばらく引っ越す予定はなく、屋根塗装も同時に行う場合は、長持ちする高価な塗料を選択しましょう。
60坪住宅の外壁塗装で注意が必要な業者の特徴
外壁塗装は悪徳業者へ依頼してしまうと、施工不良や金銭トラブルにつながるおそれがあります。
優良業者と悪徳業者を見極めるのはとても難しいですが、悪徳業者ならではの特徴を知ることで回避できる可能性が高まります。
悪徳業者の特徴は、以下のとおりです。
・塗装費用が相場とかけ離れている
・大幅な値引きをして契約をせかす
・「今すぐ塗装しないと雨漏りする」など不安をあおる
・頼んでいない工事が含まれている
悪徳業者の疑いがある場合は、その場で契約をせずに口コミや施工実績などインターネットで調べた方がよいでしょう。
悪徳業者か自分だけでは判断できないときは、家族や知人に相談するのもおすすめです。
悪徳業者と判断した場合は、返事を曖昧にせずはっきりと断りましょう。
60坪住宅の外壁塗装は信頼できる業者に依頼しよう
60坪の住宅の場合、外壁塗装を依頼する際の費用は110〜190万円が相場です。
ただし、外壁塗装の費用は外壁面積や塗料の種類、外壁の状態などによって変動します。
60坪と面積が大きい分、わずかな単価の違いで金額の総額が変わるため注意が必要です。
図面を見ながら自分で相場を理解するのは難しいため、専門の業者に見積もりを依頼しましょう。
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